(1) 図2.10に示す総合部材の各材料の線膨張係数をα1、α2、α3、とするとき、Δtの温度上昇に対して、各材料の中に生じる熱応力を求めよ。ただし、外力Pは作用しないものとする。(P=0)

 両端が自由に伸び縮みできる部材が、全体にわたって、Δtだけ温度変化したとすれば、線膨張係数(coefficient of linear thermal expansion)に比例する次のようなひずみと伸びを生ずる。
                  、                  (2.14)
上式中αは部材の線膨張係数である。Δtは温度上昇を正とする。しかし、自由に伸び縮みできる間は、部材の中に応力は生じない。もし、部材の両端が拘束されていて、温度上昇がΔtだけあっても部材が膨張できず、同じ長さを保つときは、l(1+αΔt)の長さの部材が圧縮力によってlαΔtだけ縮んだと考えることができる。したがって、このとき

の温度応力が発生する。一般に、温度ひずみεtと拘束によって内部に応力を生ずるひずみεfの和が観測されるのである。すなわち、観測できるひずみをε'とすれば
                    
                  ∴                   (b)
ゆえに、部材の中に生ずる応力は
                              (c)
拘束されてひずみが生じないときε'=0、ゆえに、σ=−EαΔtとなる。構造用鋼材の線膨張係数は1℃について12×10-6である。